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ちょっと、びっくりする、日本の「研究」分野の凋落ぶり

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こんにちは。

最近(2月19日~21日)、日経新聞「革新攻防」と題する3回シリーズの小特集が組まれ、そのなかでびっくりするようなデータが紹介されていましたので、それをお伝えするとともに、現在のわが国の世界に占める位置を確認しておきたいと思います。

 日経新聞:「研究」に関するデータ

① 民間を含む研究開発費(全米科学財団)

1位 米国5,490億ドル 2位 中国4,960億ドル 3位 日本1,709億ドル

シリーズ1回目。

記事の見出しは「米中2強 資金力突出 日本、技術競争退場の危機」。

日経新聞の記事中に、日本の順位の記載はありませんが、文科省科学技術・学術政策研究所のホームページから、「科学技術指標2019」概要版1ページによりますと、3位ではあるようです。3位ではありますが、米中との差が大きすぎますね。それに、間もなく中国が米国を追い抜きそうな勢いです。

② 人口当たり研究論文数 世界39位(豊田長康元三重大学長の分析)

シリーズ2回目。

「ノーベル受賞 消える危機 日本、研究者軽視のツケ」との見出しのある記事の中のデータです。

結果は衝撃的。日本は、世界39位と、経済規模が日本より小さいハンガリーポーランドなどの旧社会主義国も下回った。」

③ 世界の研究者が注目する上位10%の論文数(文科省科学技術・学術政策研究所)

同じく、シリーズ2回目から。

〇1980年代から90年代初めにかけて:米英に次ぐ世界3位が定位置(この時期に、のちのノーベル賞につながる研究)

〇現時点:9位
  
◆上記の文科省科学技術・学術政策研究所の「科学技術指標2019」概要版9ページを見ますと、

「2015-2017年平均」の上位10か国は、

1位から順に、米国、中国、英国、ドイツ、イタリア、フランス、オーストラリア、カナダ、日本、スペインになっています。

同じ資料の「1995ー1997年平均」では、日本は世界4位

「2005―2007年平均」では5位

④ 「スター研究者数*1」(米国調査会社クラリベイト・アナリティクス)

シリーズ3回目。

14年版 日本 世界5位

19年版 1位 米国(約2,700人)、11位 日本(100人)

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以上、日経新聞の記事から4つのデータを紹介しましたが、特に、上記②の「人口当たり研究論文数 世界39位」というのには驚きました。

ランキングが上位であることの意味・意義については、いろんな考えがあろうかと思いますが、これはちょっと…。

 

ノーベル賞受賞者の懸念

この何年間か、ノーベル賞の受賞記者会見等で、何人もの受賞者が、わが国の大学を中心とする研究分野の窮状について懸念を表明されていたことが、私も気になっていたところでしたが、この日経新聞の特集記事を読んで、ここまでかと、その凋落ぶりに驚いてしまいました。

シリーズ2回目の記事には、国立大学の運営費交付金が減らされて、研究室に残って研究を続ける「ポスドク」の7割は、任期3年未満の雇用になっているなど、その不安定な身分について記載されています。

ノーベル賞の受賞会見で、成果がすぐには出ない基礎研究の大切さを訴えていた受賞者が複数おられたと記憶しています。

 性急なリターンを求められる研究環境

ノーベル賞受賞者 本庶佑

2018年ノーベル生理学医学賞受賞者の本庶佑は、生命科学に関して

政府は確実な投資効果を求めて、生命科学の研究が何らかの医薬品の開発、あるいは医療機器の開発につながるようなプロジェクトに多額の投資を行っている。この傾向はこの10年、とりわけ国立大学法人が進んだ以降に強く、研究投資のパターンが大きく変わった。かなり性急なリターンを求める研究開発投資が行われているような気がする。「がん免疫療法とは何か」岩波新書 P.164

と書いています。

本庶佑氏の業績は、偶然の発見から生まれとも言えるものですが、その偶然は長い地道な研究の中ではじめて起こり得ることであって、性急に結果を求めるような研究からは生まれることはないと思われます。

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この「偶然の発見」や「偶々のミス」がノーベル賞につながったということは多くの受賞者が語るところだと思います。

ノーベル賞受賞者 山中伸弥教授

iPS細胞の山中伸弥教授ノーベル賞につながる業績も、たしか「偶然のミス」がきっかけになっていたのではなかったかと思います。

この山中教授の京大iPS細胞研究所への国の補助金に関して、10年間継続支給予定のところを、突然、来年度から打ち切ると言われたことがニュースになり、また国会でも取り上げられました。(山中教授に伝えたのは、和泉総理補佐官と厚労省の大坪審議官の例のコネクティングルームのコンビです。)

結局、この補助金は削減されないようですが、限られた予算と、「性急なリターンを求める」姿勢がこういうところにも表れたのかもしれません。

「大学改革」で研究環境が窮屈に

長引く経済停滞で、全体のパイが増えない中で、目先の利益を追求する新自由主義経済政策の影響を受けた「大学改革」で、より早く成果を求められるようになった大学の研究環境は、いっそう窮屈で厳しいものになっているようです。

基礎研究へ「お金」が流れないようになってしまうことを懸念します。

基礎研究のすそ野が拡がり充実しないと、人々の生活につながるような成果を生む可能性も低くなるのではないでしょうか。

広大なすそ野が高い富士山を支えているように。

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今回は、日経新聞の小特集から、世界に占める日本の研究分野の位置が低下していることをお伝えしました。
 
今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
 (2020.02.25)

 

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*1:優れた研究論文を複数発表し後続の研究に大きな影響を与えた著者