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【障がい者と雇用保険】④就業促進手当(常用就職支度手当)について

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 こんにちは。

障がい者の視点から雇用保険制度を見て、障がい者が障害者ではない人(以下「一般の人」と言います。)と異なる取り扱いになっていることについてお伝えしています。

今回は、最後の4回目で、常用就職支度手当についてお伝えします。

雇用保険制度の体系

雇用保険制度における失業等給付には、次の4つの区分があります。

  • 求職者給付・・・会社等を辞めた(離職)あと、次の就職をさがす間の生活費を補填する基本手当等
  • 就業促進給付・・・できるだけ早い就職を促すため
  • 教育訓練給付・・・雇用を継続し、あるいは再就職を促すため
  • 雇用継続給付・・・高齢や出産、育児に際しても仕事を辞めずに継続するため

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常用就職支度手当とは

今回は、就職促進給付のうちの就業促進手当の1つである常用就職支度手当についてお伝えしたいと思います。

この手当が障がい者を含む就職困難者等を対象としているからです。

常用就職支度手当は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満である人が、1年以上雇用の見込まれる安定した職業に就いた場合に、基本手当日額の10分の4を、支給残日数の次の区分による日数分支給する制度です。

(区分) 基本手当の支給残日数 → 常用就職支度手当の給付日数

①90日以上の場合 → 90日分 

②45日以上90日未満の場合 → その日数分

③45日未満の場合 → 45日分


[手当の額の例]基本手当日額:5,000円と仮定

① 支給残日数100日の場合 5,000円×4/10×90日=180,000円

② 支給残日数 60日の場合  5,000円×4/10×60日=120,000円

③ 支給残日数 30日の場合 5,000円×4/10×45日= 90,000円

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就職困難者である障がい者は、常用就職支度手当の対象者である

この手当を受けることができるものは、雇用保険法第56条の3第1項第2号に、身体障害者その他の就職が困難な者として厚生労働省令で定めるものと規定されています。

ここに言う厚生労働省令である雇用保険法施行規則第82条の3第2項を見ますと、第1号から第7号まで規定があって、このうち最後の第7号に「第32条各号に掲げる者」とあり、この同施行規則第32条は、シリーズ第1回でお伝えしました基本手当の所定給付日数の特例の対象者である就職困難者に関する規定です。

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したがって、就職困難者に含まれる障がい者(3障がいの手帳所持者及び精神3疾患(統合失調症、そううつ病てんかん)の患者)は、常用就職支度手当の対象者でもあることになります。

なお、常用就職支度手当の対象者は、上記の施行規則の第1号から第6号までの分だけ、就職困難者よりも広い概念となりますが、これらは、雇用対策法の再就職援助計画の対象者、季節労働者、45歳以上の日雇い労働者などであり、直接的には障がい者とは関係ありませんので、ここでは省略します。

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障がい者にとって有利な取り扱い

基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あって、安定した就職をした場合は、就業促進手当のうちの再就職手当を受けることができます。

就職困難者も、もちろんこの再就職手当の対象者となりますが、就職困難者の場合は、残日数が3分の1未満になって、再就職手当を受けることはできなくなっても、常用就職支度手当を受けられる場合があることになり、障がい者を含む就職困難者にとっては有利な取り扱いであると言えると思います。

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留意すべきこと

  •  常用就職支度手当(再就職手当も)は、以前の会社等に再び就職した場合や、安定した就職をした日前3年間のうちに常用就職手当、再就職手当を受けたことがある場合等には支給されません(再就職手当も同じ)。
  • 常用就職支度手当は、ハローワーク職業紹介事業者等の紹介で、安定した就職をした場合に支給されることになっていますので、友人、知人等の紹介で就職した場合は支給されません。
  •  常用就職支度手当の支給については、安定した就職をした日から1か月以内に申請する必要があります。

 
なお、厚労省雇用保険事業年報(平成30年度)によりますと、平成30年度の常用就職支度手当の受給者数は、2,998人となっています。

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障がい者雇用保険のまとめ

障がい者の視点から見た雇用保険について、4回シリーズでお伝えしました。

まとめてみますと、障がいのある人は、

  • 就職したら1年間は辛抱してその会社に勤め*1
  • 退職したら離職票と障害者手帳療育手帳*2を持って(念のため運転免許証、マイナンバーカード、印鑑、金融機関通帳なども)
  • ハローワークに行って、仕事をさがす申し出(求職の申し出)をしましょう。

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審査を受けた後、

  • 指定された日の説明会に出席して、受給資格者証(そこに所定給付日数、基本手当日額、受給期間満了年月日等が記載されています。)の交付を受けて、
  • 指定された日失業認定日ハローワークに行って、受給資格者証と失業認定申告書を提出して、失業の認定を受けると
  • 1週間以内に基本手当が指定した口座に振り込まれます。

そして、 

  • 4週間ごと失業認定日が来ますので、必ずハローワークに行きましょう。
  • そして、その間は仕事をさがしましょう。*3
  • 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あるときに、1年以上の雇用が見込まれる仕事に就いた場合は再就職手当(基本手当日額×支給残日数×10分の6。ただし、支給残日数が3分の2以上あるときは10分の7)を申請しましょう。
  • 支給残日数が3分の1未満になって再就職したときは常用就職支度手当の支給を申請しましょう。

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4回にわたって、雇用保険制度において、障がい者が一般の人とは異なる取り扱いになっていることについてお伝えしました。

雇用保険制度のほとんどは一般の人と同じです。

制度は複雑ですので、ハローワーク社会保険労務士などに尋ねながら手続きを行いましょう。

 

今日も拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

 (2019.12.29)

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*1:障がいのために離職したことが、医師の診断書、証明書で確認できる場合は、6か月間以上の勤務実績でよい場合があります。(このシリーズ第2回「障がい者雇用保険加入期間が6か月以上あれば、基本手当の受給資格がある、というのは必ずしも正しくありません。」を参照

*2:ハローワークによっては、障がい者の人たちのための特別援助窓口に案内されることもあると思います。

*3:失業認定日から次の失業認定日の前日までに、一般の人は2回の求職活動の実績が必要ですが、障がい者を含む就職困難者は1回でよいこととされています。そして、失業認定日にハローワークに行くことが1回の求職活動とみなされます。