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【障がい者と雇用保険】①基本手当の所定給付日数における就職困難者とは?

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 こんにちは。

今回から4回シリーズで、障がい者の視点から、雇用保険制度について見てみたいと思います。

社会保険労務士試験の勉強をしている人にも参考にしていただきたいので、法的根拠を確認することを重視しながら記載していきたいと思います。(面倒臭い文章になると思います。申し訳ありません。)

そんな法的根拠なんてどうでもいい、結論だけ教えてくれ、という方のために、結論を先に書いておきます。


[結論]3障がいの手帳を持っている人、手帳がなくても精神3疾患(統合失調症、そううつ病てんかん)にかかっている人は、就職困難者に該当します。

雇用保険制度:基本手当の所定給付日数

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雇用保険制度においては、障がい者は、障がい者ではない者(以下「一般の人」と言います。)とは違う例外的な取り扱いをされる場合があります。

まず、基本手当(失業しているときの一般的な給付)の所定給付日数(基本手当を受けることができる上限日数)に関する例外があります。

〇一般の人の場合(すべての年齢に共通)

 算定基礎期間:10年未満 90日、  

        10年以上20年未満 120日

        20年以上 150日
 (倒産、解雇等による離職等を除きます。)

〇就職が困難な人(「就職困難者」)の場合
 算定基礎期間:1年未満(すべての年齢)150日
   算定基礎期間: 1年以上 45歳未満 300日、45歳以上65歳未満 360日

 ※算定基礎期間」とは、雇用保険に加入していた期間(雇用保険料を納付していた期間)のこと。

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かなり違いますね。

例えば、1年以上10年未満勤務した会社を辞めた場合、一般の人は90日(3か月分)ですが、就職困難者は300日(10か月分)または360日(1年分)基本手当をもらえることになります。

3倍から4倍の期間になります。

これはそれだけ障がい者の人たちは就職するのが難しいことを意味しています。

就職困難者の定義

雇用保険法第22条第2項

基本手当の所定給付日数に関する規定は、雇用保険法第22条第2項にあります。

そこには「厚生労働省令で定める理由により就職が困難なものに係る所定給付日数は」として上の日数の規定があります。


条文には、直接「障がい者」とは書かれていません。

したがって、「厚生労働省令で定める理由により就職が困難なもの」に障がい者が含まれることを確認しなければいけません。

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雇用保険法施行規則第32条

ここで言う厚生労働省令というのは、雇用保険法施行規則のことです。

雇用保険法施行規則第32条に「厚生労働省令で定める理由により就職が困難なもの」として、

(1) 障害者雇用促進法第2条第2号に規定する身体障害者

(2)同法第2条第4号に規定する知的障害者

(3)同法第2条第6号に規定する精神障害者

と規定されています。

(なお、同条には保護観察処分を受けた人、社会的事情により就職が著しく阻害されている人の規定もありますが、直接には障がい者ではありませんので、ここでは省略します。)

障害者雇用促進法第2条

こんどは、障害者雇用促進法を見なければいけません。

同法第2条第2号には「身体障害がある者で別表に掲げる障害があるもの」、同4号には「知的障害がある者で厚生労働省令で定めるもの」、同6号には「精神障害がある者で厚生労働省令で定めるもの」と規定されています。

身体障がい者障害者雇用促進法の別表

なかなか目的地にたどり着きませんね。

もう少しお付き合いください。

身体障害者については、障害者雇用促進法の別表(法律の最後に載っています。)を見ますと、「別表 障害の範囲」に

一 次に掲げる視覚障害で永続するもの
イ 両眼の視力(万国式試視力表によつて測つたものをいい、屈折異状がある者については、矯正視力について測つたものをいう。以下同じ。)がそれぞれ〇・一以下のもの

ロ 一眼の視力が〇・〇二以下、他眼の視力が〇・六以下のもの

ハ 両眼の視野がそれぞれ一〇度以内のもの

ニ 両眼による視野の二分の一以上が欠けているもの

 (二以下、略)

 と規定されています。

やっと雇用保険制度の基本手当を、一般の人よりも長い期間もらえる就職困難者のなかに含まれる身体障がい者の定義にたどり着きました。

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身体障害者手帳

しかし、ここで疑問が生じます。

一般に身体障がい者であることを何で確認するかと言えば、身体障害者手帳ですよね。

手帳を持っていることで、障害者雇用促進法に規定する身体障がい者とされ、つまりは雇用保険法の就職困難者に含まれる身体障がい者とされるのでしょうか?

身体障害者福祉法にいう身体障がい者の定義(第4条。具体的には「別表」に記載されています。)は、障害者雇用促進法と同じ内容になっています。

身体障害者手帳の規定は、身体障害者福祉法施行規則別表第5号「身体障害者 障害程度等級表」にあります。

上記の2つの別表と、この障害等級表の記載内容は同じではありませんが、別表の記載の障がい内容は障害等級表の中に含まれています。

したがって、身体障害者手帳を所持している人は、雇用保険の基本手当の所定給付日数において、一般の人より長い期間基本手当をもらえる就職困難者に該当ことになります。

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知的障がい者障害者雇用促進法施行規則第1条の2

身体障がい者は、何とか終点にたどり着きましたが、まだ知的障がい者と精神障がい者が残っています。
先ほどの障害者雇用促進法第2条第4号(第6号)には、「知的(精神)障害がある者で厚生労働省令で定めるもの」と規定されています。

ここでの厚生労働省令は、障害者雇用促進法施行規則になります。

同施行規則第1条の2には、知的障がい者の定義として、児童相談所知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター精神保健指定医又は障害者職業センターにより知的障害があると判定された者とされています。

つまり、療育手帳を所持している人が該当することになります。

会津の里山風景

精神障がい者障害者雇用促進法施行規則第1条の4

障害者雇用促進法施行規則第1条の4には、精神障がい者の定義として、

症状が安定し、就労が可能な状態にある精神障害者で、

(1)精神保健福祉法第45条第2項の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者 

(2)統合失調症、そううつ病*1そう病及びうつ病を含む。)又はてんかんにかかつている者のいずれかに該当する者

と規定されています。

つまり、精神障害者保健福祉手帳を所持している人、手帳がなくても上の(2)の3つの病気がある人が該当します。

 

柵で区切られた遊歩道

結論

これで、やっと就職困難者に障がい者が含まれることを確認できました。

結論としては、3障害いずれかの手帳を持っていれば「就職困難者」に該当し、精神の3疾患については、手帳がなくても該当するということです(この場合は、医師の診断書が必要になると思います)

 

基本手当をもらうためには、会社等を辞めて(「離職」と言います。)離職票をもって、最初に公共職業安定所ハローワーク)に行き、仕事をさがしていることを申し出たとき(「求職の申し出」と言います。)に、手帳を示して自分が障がい者(就職困難者)であることを申し出る必要があります。

ニュージーランド郊外の果てしなく続く道路

本人が黙っていると、ハローワークの職員もわかりませんので、一般の人として認定されて、基本手当をもらう日数が本来の日数よりも少なくなってしまいます。

基本手当は、仕事をさがす間の生活費を補填するものですから、法的権利として受けられる手当はしっかりと受けましょう。

もちろん、できるだけ早期に次の会社に就職して、きちんと給料をもらうことが一番です(この場合、雇用保険から別の給付(再就職手当常用就職支度手当)を受けられる可能性があります)

 

今日は、雇用保険の所定給付日数における障がい者就職困難者としての特例について、法的根拠を尋ねながらお伝えしました。

(なお、基本手当を受給するためには、求職活動をしなければなりません。失業認定日(4週間に1回)から次の失業認定日の前日までの間、一般の人は2回以上の求職活動の実績が必要ですが、障がい者を含む就職困難者は1回でよいこととされています。)

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今日も拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

  (2019.12.24)

 

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*1:条文では「そううつ病」となっていますが、いまは「双極性障害」という表現が正しいようです。