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【障がい者と雇用保険】③基本手当の個別延長給付について

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 こんにちは。

障がい者の視点から雇用保険制度を見るシリーズの3回目です。

雇用保険制度では、障がい者障がい者ではない人(以下「一般の人」と言います。)とは違った(一般の人よりも有利な)取り扱いとなっている場合があります。

第1回は、基本手当の所定給付日数について、第2回は、基本手当の受給資格について見てみました。

今回は、基本手当の個別延長給付についてお伝えしたいと思います。

基本手当の個別延長給付

特別の事情や理由がある場合、例外的に基本手当の所定給付日数が延長されることがあります。

その内容に応じて、「訓練延長給付」「全国延長給付」「広域延長給付」と「個別延長給付」があります。

前3者は障がい者としての異なった取り扱いはありません。

最後の「個別延長給付」については、一般の人と異なる取り扱いがありますのでそれについて説明します。

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障がい者を含む就職困難者の場合

個別延長給付は、就職困難者*1と就職困難者以外で内容が違っています。

障がい者を含む就職困難者の場合、延長給付の要件の要件が2つあります。

  1. 激甚災害による離職であること
  2. 就職が困難な地域であると厚労大臣が指定する地域に居住していること

熊本地震で被災した熊本城の石垣
これに該当した場合、基本手当の所定給付日数が60日延長されます。

障がい者を含む就職困難者は、もともと基本手当の所定給付日数が多くなっていますので、この個別延長給付においては、一般の人よりもやや厳しい取り扱いになっています。

就職困難者以外の個別延長給付

就職困難者以外の者のうち、特定理由離職者(いわゆる雇止めによる離職者。雇用保険法第24条の2第1項、同法施行規則第38条の2、同規則第19条の2第1号)または特定受給資格者(倒産、解雇等による離職者)であって、「心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者」雇用保険法第24条の2第1項第1号)に該当すると、基本手当が60日間延長される可能性があります。

 

この「心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者」について確認していきたいと思います。

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心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者とは

ここでいう省令である雇用保険法施行規則第38条の4に、

(1) 難治性疾患を有するものであること。
(2) 発達障害者支援法第2条に規定する発達障害であること。
(3)  前2号に掲げるもののほか、障害者雇用促進法第2条第1号に規定する障害者であること。

との規定があります。

この「心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者」については、これ以上の具体的な記述はどこにもなく、厚労省の「雇用保険に関する業務取扱要領」にも「心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者に係る要件については、求職申込内容や専門援助部門との連携により確認すること」と記載されているのみです。

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したがって、上記(1)の「難治性疾患」については、医師の診断書、証明書で確認することになるのではないかと思います。

上記(2)については、発達障害者支援法第2条第1項及び第2項で、

自閉症アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害学習障害注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害がある者であって発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるもの

と規定されています。(さらに発達障害者支援法施行令、及び同法施行規則にも規定があります。)

こちらについても、医師の診断書、証明書で確認するものと思われます。

(なお、発達障がい者として精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている場合は、就職困難者に該当します。)

 

上記(3)の障害者雇用促進法第2条第1号には、「障害者」として

身体障害、知的障害、精神障害発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう。

と規定されています。

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就職困難者に含まれる障がい者と含まれない障がい者

このシリーズの第1回☝で説明しました就職困難者の規定は、障害者雇用促進法第2条第2号でした。

それは結局、3障がいの手帳所持者と精神3疾患(統合失調症、そううつ病てんかん)の患者に行きついたのですが、こんどは同法第2条第1号です。

第1号と第2号ではどこが違うのでしょうか。

正直、よくわかりませんが、第2号は、別表や省令での規定がありますが、第1号にはこれ以上の規定はありませんので、第1号の「障がい」の概念は第2号よりは広く、第1号後段の「障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難」ということについて、個別の事情に基づいて判断するということではないかと思われます。

 

以上、障がい者にかかる基本手当の個別延長給付については、3障がいの手帳所持者と精神の3疾患のある人は就職困難者として、そこに含まれない障がい者の人は上記の「心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者」(雇用保険法第24条の2第1項第1号)に該当する場合に、個別延長給付の対象者になり得るということになります。

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誠実、熱心な求職活動等の要件もある

実際の個別延長給付は、以上の要件のほか、雇用保険法第24条の2第1項及び同法施行規則第38条の3で、

特に誠実かつ熱心に求職活動しているが就職することができず、さらに特に再就職の援助を行う必要があると公共職業安定所長が認めた場合

という趣旨の規定にも該当する必要があります。

また、「雇用保険に関する業務取扱要領」には、所定給付日数に応じた求職の「応募」回数の基準等についても記載されており、なかなかハードルが高い印象を受けます。

そのためでしょうか、個別延長給付の実績を厚労省雇用保険事業年報(平成30年度)で見ますと、災害に関する者を含む全体で、H30年度の個別延長給付の受給者数は全国で901人と限られた件数の適用にとどまっています。

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なお、個別延長給付は、最近、制度が大きく改正されています。

ネット上では改正前の制度について記載されたものが残っていますので、注意が必要です。

 

今回は、基本手当の延長給付(個別延長給付)における障がい者の取り扱いについて見てみました。

またまた、まどろっこしい内容になって申し訳ありません。

南アルプスの深い森から見る富士山

今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
  (2019.12.28)

 

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*1:就職困難者に該当する障がい者とは、3障がいの手帳を所持している人、手帳がなくても精神の3疾患(統合失調症躁うつ病てんかん)にかかっている人を言います。(詳しくは、このシリーズの第1回参照)