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【労災:遺族補償給付】業務災害で会社員が死亡したときの労災の補償について

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 こんにちは。

3回にわたって、厚生年金のある会社等に勤務していた人が死亡した場合の遺族年金について確認してきました。

 

今回は、その死亡が業務災害によるものであったとして、労災保険労働者災害補償保険法)から支給される遺族補償給付について確認しておきたいと思います。

1. どういう場合に遺族補償給付は支給されるか? [支給要件]

労働者が業務上の事由により死亡した場合が対象となります。

業務上の事由と認定されるためには、①業務遂行性と②業務起因性の2つの条件を備えていることが必要です。

  • 業務遂行性:労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態
  • 業務起因性:業務に起因して災害が発生し、業務と災害との間に相当因果関係があること

今回は、労災保険の給付の内容を確認することがテーマですので、業務災害の認定には問題がないものとして、話を進めたいと思います。

業務災害については、工事現場等の場合はイメージしやすいかと思いますが、事務系の職場においても、国の基準(単月で100時間、複数月の平均で80時間)を超える時間外労働による過労死とか、極端な長時間労働によって精神障害を患い、そのために自殺に至ったケース等でも業務災害として認定がなされる場合があります。

また、通勤途上の事故等による死亡の場合も認定されることもあります。

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2. 誰に支給されるのか? [遺族の範囲]

遺族に年金として支給される遺族補償年金は、次の順位のうち、最先順位者だけが受給することができます。

その最先順位者を「受給権者」と言います。

その他の遺族を「受給資格者」と言います。

「受給資格者」の数が遺族補償年金の額に影響します。

いずれも、労働者の死亡当時、その収入によって生計を維持していたことが必要です。

  • 第1順位:妻、夫(60歳以上又は一定の障害)
  • 第2順位:子(18歳に達した後の最初の3月31日まで、又は一定の障害)
  • 第3順位:父母(60歳以上又は一定の障害)
  • 第4順位:孫(18歳に達した後の最初の3月31日まで、又は一定の障害)
  • 第5順位:祖父母(60歳以上又は一定の障害)
  • 第6順位:兄弟姉妹(18歳に達した後の最初の3月31日まで、又は60歳以上、若しくは一定の障害)
  • 第7順位:夫(55歳以上60歳未満)
  • 第8順位:父母(55歳以上60歳未満)
  • 第9順位:祖父母(55歳以上60歳未満)
  • 第10順位:兄弟姉妹(55歳以上60歳未満)

第7順位から第10順位までの者(若年支給停止者)は、受給権者となっても60歳までは支給が停止されます。

  • 配偶者は、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。
  • 労働者の死亡当時、胎児であった子は、生まれてから受給資格者となります。
  • 一定の障害とは、労災保険法施行規則別表第1の障害等級の5級以上に該当する障害がある状態又は負傷若しくは疾病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、もしくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態を言います。

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生計維持の要件

死亡した労働者の収入によって、生計の一部でも維持していればよいとされています。

例えば、共稼ぎ夫婦の場合も要件に該当します。

遺族厚生年金・遺族基礎年金のような金額の基準はありません。

受給権の消滅(失権)と転給

労災の遺族補償年金についても、遺族厚生年金・遺族基礎年金と同じく、受給権者が、死亡、婚姻、直系親族・直系姻族以外の者の養子になった場合、年齢や障害の要件に該当しなくなった場合等には、遺族補償年金の受給権が消滅(失権)します。

その場合、遺族厚生年金・遺族基礎年金と違って、次の順位者が、新たに受給権者となります(これを「転給」と言います)。

受給資格の欠格

受給資格者でも、故意に労働者を死亡させた者、労働者の死亡前に先順位・同順位の遺族となる人を故意に死亡させた者などは、年金を受け取ることができません。

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3. 遺族補償年金の額

遺族補償年金受給権者とその受給権者と生計を同じくしている受給資格者(遺族の数)に応じて、次のようになっています。

 遺族の数  年金の給付額(給付基礎日額)

 1人     153日分(55歳以上又は一定の障害の妻の場合は、175日分

 2人     201日分

 3人     223日分

 4人以上   245日分

※この場合、若年支給停止者は受給資格者の数に含みません。

給付基礎日額

遺族補償年金の額は、上記のように、給付基礎日額〇〇日分として示されます。

この給付基礎日額とは、労働基準法の平均賃金とされていて、要するに、直近3か月間の賃金総額を3か月間の総日数(歴日数)で割った金額になります。

例えば、基本給30万円、通勤手当3万円の場合、給付基礎日額は約1.1万円となり、残されたのが妻と子1人であれば、遺族補償年金は1.1万円×201日=221.1万円になります。

特別支給金

労災保険制度の給付には、保険給付とは別に、社会復帰促進等事業の1つとして行われる特別支給金があります。

遺族特別支給金は、一時金として300万円の定額です。

このほか、遺族補償年金を受ける者がいない場合や受給権者がすべて失権したようなときに支給される遺族補償一時金、1回限り前払いを受けることのできる遺族補償年金前払一時金、及びボーナス特別支給金の制度もあります。

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4. 公的年金と労災(遺族補償年金)との調整

厚生年金のある会社に勤務していた人が、業務上の災害で死亡したときは、他の要件に該当する場合、公的年金からの給付と労災保険からの給付が同時に行われることになります。

この場合、同一の事由による年金給付であることから、労災遺族補償年金の給付において調整が行われます。

具体的には、遺族厚生年金・遺族基礎年金とも給付される場合は、労災の遺族補償年金の額が80%に減額されます。

 

以上、今回は、労災保険の遺族補償給付について確認しました。

労災で一番難しいのは、今回はスルーしましたが、そもそも労災(業務災害)として認定されるかどうかということだと思います。

具体的な事案では、会社側と意見が対立する場合もあるかと思います。

会社側は、顧問弁護士の意見を聴いて対応している場合も多いかと思います。

労災保険の制度はたいへん複雑ですので、被災された労働者や家族・遺族だけで解決が難しい場合は、労働組合や労災問題に詳しい弁護士、社労士等に相談することも、円満な解決につながる方法ではないかと思います。

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今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

 (2020.03.14)

 

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