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【厚生年金の「加給年金」ってご存じですか?】②こんな場合はどうなる?

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こんにちは。

前回から、年金版の「家族手当」と呼ばれる「加給年金」についてお伝えしています。

加給年金は、老齢厚生年金・障害厚生年金受給者の一定の要件に該当する配偶者、子がある場合に加算されるものです。

※今回も、わかりやすいように年金受給者を「夫」、配偶者を「妻」として話を進めます。

 

5.こんな場合はどうなる?

(1) 配偶者(妻)が年金受給権者本人(夫)より年上の場合

夫の年金の種類が障害厚生年金の場合は、妻が65歳になるまで加給年金額が加算されますが、老齢厚生年金の場合は、妻が年上であれば、すでに65歳以上になっていますので加給年金は加算されません。

ただし、年齢要件を除けば加給年金の対象となるべき妻であれば、夫が65歳になったあとに、妻の老齢基礎年金に「振替加算」(後述)が加算されます。

(2)配偶者(妻)が年下で厚生年金加入20年以上の場合 【注意!】

妻が、厚生年金に20年以上加入している場合は加給年金の対象とはなりません。

ただし、妻が老齢厚生年金の受給権を取得するまでは加給年金が出ます。

例えば、夫が65歳のとき、妻が55歳であれば、妻が60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金を受給するまでは、夫の年金に加給年金額が加算されます。

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日経新聞(2020年3月14日付、「加給年金 誤解多く」)によりますと、「少し制度を知っている人ほど、妻が20年以上加入ならば夫は一切加給年金をもらえないと誤解している」、その結果、自分の老齢厚生年金を繰下げてしまって、加給年金額を失ってしまうケースが多いということです。(次の「年金の繰下げ」の項参照)

 

また、加給年金額を受けていた場合は、妻が老齢年金の受給権を取得した時点で、夫が加給年金額の受給停止の届出をしないと加給年金が払い続けられてしまい、後日、その間の加給年金額を返還しなければならなくなるケースも発生しているとのことです。

(3)老齢厚生年金を繰下げ受給した場合

年金の受給額を増額するために、65歳からは年金を受け取らず、例えば68歳から受給した場合、その間の加給年金額は支払われず、68歳から増額もされません。

その間の加給年金額を受け取る権利は放棄したことになります。

妻との年齢差(加給年金額の支払い期間)にもよると思いますが、繰下げを検討するときには注意が必要です。

(4)配偶者(妻)が老齢基礎年金を繰上げて受給した場合

老齢基礎年金を繰上げますと、年金制度においては65歳になったものとみなされて権利の制限を受ける場合(事後重症による障害基礎年金の請求ができない、寡婦年金の権利が消滅するなど)がありますが、加給年金額についてはそのような制限はなく、原則通り、妻が65歳になるまで支給されます。

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(5)夫が老齢年金受給権を取得したとき厚生年金加入期間が20年未満であったが、その後20年になった場合

この場合には、20年(240月)になったときに老齢厚生年金の受給権を取得したものとされます。

したがって、例えば、65歳のときは19年の厚生年金加入期間しかなかった夫が、厚生年金被保険者であれば66歳の時点で要件に該当する妻、子があればそのときから、夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。

6.国民年金の「振替加算」について

前回から、厚生年金の加給年金についてお伝えしていますが、なんどか「振替加算」という言葉が出てきていますので、これについてご説明します。


振替加算は、国民年金のなかの制度です。

夫の厚生年金で加給年金額の対象となっていた妻が、65歳になって老齢基礎年金を受給するようになりますと夫の加給年金はなくなります。

その代わりに、妻の老齢基礎年金振替加算が加算されます。

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(1) 趣旨

国民年金制度において、昭和61年の改正で、専業主婦は強制被保険者(第3号)になりましたが、それ以前は任意加入でしたので、未加入のため満額の老齢基礎年金を受けられない人が多くありました。

そのため、そのときすでに20歳になっていた人の年金額を増額するために振替加算の制度が設けられました。

(2) 振替加算を貰える人の要件
  • 大正15年4月2日から昭和41年4月1日生まれの老齢基礎年金の受給権者で、かつ
  • 65歳になるときに配偶者(この場合は夫)の厚生年金の加給年金の対象となっていた者
(3) 振替加算の額
  • 配偶者の加給年金額×老齢基礎年金の受給権者の生年月日に応じて政令で定める率

上記の(1)趣旨から、任意加入の期間が長いほど(生年月日が古いほど)振替加算の額は高くなります。


[例]昭和20年4月2日から21年4月1日までの生まれ 

          加給年金額224,900円×率0.493=年額110,876円

  昭和30年4月2日~31年4月1日 224,900円×0.227=51,052円

  昭和40年4月2日~41年4月1日 224,900円×0.067=15,068円


加給年金額に比べて随分少ないですが、加給年金額が期間限定であるのに対して、振替加算は老齢基礎年金を受給する間、つまり妻が死ぬまでもらえます。

(4) 支給停止等
  • 老齢基礎年金受給権者が、老齢厚生年金加入期間20年以上ある場合は振替加算はありません(加給年金額が加算されませんので)。
  • 老齢基礎年金受給権者が、障害基礎年金、障害厚生年金を受けることができる時は振替加算の支給が停止されます。(遺族基礎年金の場合は支給停止されません。)

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以上、2回にわたって厚生年金の「加給年金」及びその関係で国民年金の「振替加算」についてお伝えしました。

今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

(2020.07.04)

 

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