こんにちは。
生命保険は生命保険会社が、損害保険は損害保険会社が取り扱いますが、いずれにも該当しない第3分野保険(医療・介護・傷害保険)は、両者とも取り扱っています。
今回は、第3分野の保険の主な種類について確認したいと思います。
1.医療保険
医療保険は、病気や不慮の事故による入院や手術などを幅広く保障するものです。
入院給付金の金額、その支払限度日数、手術給付金、保険期間(終身、定期)、特約(先進医療、女性、3大疾病など)によって、非常に多くのメニューがあります。
目の前にずらっと商品を並べられて、「さあ、どれにしますか?」と訊かれて、すぐに選び始めるのではなく、本当に必要なもの、あるいは、その商品(医療保険)そのものを必要としているのかどうか、もう一度検討することが先になります。
「医療保険は要らない」という選択もあります。
◆がん保険
対象疾病をがんに特化したものが「がん保険」です。
単独の保険もあり、医療保険に特約として付加される場合もあります。
がんと診断されたときに支払われる診断給付金(一時金)があるのが一般的で、一般の医療保険では、限度日数がある入院給付金は給付日数が無制限になっています。
ただし、契約日から3か月間又は90日間の免責期間が設けられています。
抗がん剤治療、放射線治療、緩和医療などを支払い対象とする特約を付けることができるようになっています。
◆高額療養費制度
わが国は、皆保険制度で、国民は全員、原則として、何からの公的医療保険制度に加入しています。
医療費の自己負担は、通常3割(年齢・所得によって1割、2割の場合もあり)ですが、自己負担が高額になったときの負担を軽減する高額療養費制度があり、保険適用診療であれば、医療費がいかに高額となっても、自己負担額は一定の額に抑えることができます。
高額療養費制度による自己負担限度額は、前年収入額によって異なります。
例えば、年収約370~約770万円の場合、自己負担限度額は、
[80,100円+(医療費-267,000円)×1%]
の計算式で求められる金額になります。
(この医療費は、保険適用分、月ごと、医療機関ごと、入院・外来別、医科・歯科別(つまりレセプトごと)の計算になります。ただし、「世帯合算」される場合もあります。)
従って、1月の医療費が100万円としても、自己負担は[80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=] 87,430円で済むことになります。
この高額療養費制度によって、医療費の自己負担が一定額に収まることから、私が退職前に読んだ定年本等では、「民間の医療保険に加入する必要はない」という意見が多かったと記憶しています。
2.介護保障保険
要介護状態※になった場合に、一時金または年金方式で保険金を受け取ることができます。
※要介護状態の認定は、保険会社によって、公的介護保険の要介護認定に準じるものと、独自の基準による認定とがあります。
介護保険も、公的保険制度がありますので、上の医療保険と同じく、公的介護保険で介護費用を賄えない場合に必要となる保険です。
3.傷害保険
「傷害」(自分のケガ)を補償する保険ですが、傷害保険から保険金が支払われる「傷害」は、「急激」かつ「偶然」な「外来」の事故によって身体に追った傷害のことになります。
- 「急激」…突発的に発生した事故から傷害を受けるまでの間に、時間的な間隔がないこと。
- 「偶然」…事故や傷害が予見できなかったこと。
- 「外来」…傷害の原因が身体の外からの作用によること。
交通事故での負傷、スポーツ中のけが、料理中のやけど、溺死等が対象となります。
無免許・酒酔い運転による負傷や自殺、けんかは対象外です。
傷害保険には、「普通傷害保険」「家族傷害保険」「交通事故傷害保険」「ファミリー交通傷害保険」「海外旅行傷害保険」「国内旅行傷害保険」などがあります。
「交通事故傷害保険」で言う「乗り物」には、ベビーカー、エレベーター、エスカレーターなども含まれ、そのほか、火災によるけが、道路歩行中の落下物による負傷なども対象になります。
「海外旅行保険」は、特約を含め、旅行中の病気による治療費用、救援費用、個人賠償、携行品損害、死亡・後遺障害保険金などがパックになっています。
面倒臭がり屋の私などは、出発の際に、空港の保険会社の自動販売機で手続きをして、保障内容の確認もしませんが、ネットを見ますと、あらかじめ保障内容を確認できますし、料金の安い商品もあるようですから、次回からは事前にネットで申し込もうと思います。
◆所得補償保険
病気やけがのために、長期間、まったく仕事ができなくなって、収入がなくなってしまうような場合に、その損失を補償する保険です。
保険会社によっては、名称が「就業不能保険」となっています。
※生命保険で、被保険者が死亡・高度障害になったときに、残された家族が保険金を一時金ではなく、年金方式で受け取る「収入保障保険」と名称が紛らわしいので注意が必要です。
今回は、第3分野保険について、概要を確認しました。
次回は、「保険」についてどう考えればよいか、このシリーズの一応「まとめ」をしたいと思います。
今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
(2020.03.28)