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【遺族年金】①どういう場合に支給されるのか? 支給要件について

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こんにちは。

先日、ある本を読んでいましたら、内容はとても参考になる良い本だと思ったのですが、そのなかに

厚生年金の加入者が死亡した時には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」が子どもが18歳になるまで、月10万円程度が支給される。(楠木新「定年後のお金」中公新書P.102)

と書かれていました。

 

もちろん、その本は年金のことがテーマではなく、当該の箇所も、生命保険等は、まず公的年金の補償内容をしっかり押さえてから、それでも不足するところを民間保険で補うようにしたほうがよい、という趣旨であって、何も異論をはさむところはありません。

しかし、遺族年金については、ちょっと記述がザクっとしすぎていて、これでは読者も遺族年金について誤解してしまうのではないかという印象を持ちました。


そこで、遺族年金の概要について確認しておきたいと思います。

厚生年金のある会社等に勤務している人がなくなったとしたら、遺族年金は、どういう場合に支給されるのか(支給要件)、誰に支給されるのか(受給権者)、どのくらいの額が支給されるのか(支給額)について、3回に分けて確認したいと考えています。

今回は、まず制度の概要と支給要件について。

 

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遺族基礎年金と遺族厚生年金

わが国の年金制度はいわゆる2階建てになっていて、厚生年金に加入している人は、同時に国民年金にも加入していることになります。

厚生年金加入者は、国民年金第2号被保険者になります。

そして、この厚生年金加入者に扶養されている配偶者(被扶養配偶者)が国民年金第3号被保険者になります。

 

自営業、フリーランス、あるいは無職の人たちなど、第2号被保険者でも第3号被保険者でもない20歳以上60歳未満の人は、国民年金第1号被保険者として強制加入する制度となっています。

 

厚生年金加入者が死亡した時は、遺族に対して、遺族厚生年金とともに、国民年金から遺族基礎年金も支給されます。

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遺族厚生年金の支給要件

遺族厚生年金が支給されるのは、次の4つの場合です。

厚生年金被保険者が死亡したとき

② 被保険者であった者が、被保険者資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から5年以内に死亡したとき

障害厚生年金(1級、2級)の受給権者が死亡したとき

④ 老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間が合計25年(※)以上ある者)又は保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間が合計25年以上ある者が死亡したとき

※生年月日等により、25年より少ない年数の特例が適用されることがあります(遺族基礎年金も同じ)。

 

厚生年金加入者の死亡は、上記①に該当しますので、遺族厚生年金の支給対象となります。

②③④は、死亡した人が現役の会社員ではなくても、遺族厚生年金が支給される場合があることを示しています。

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保険料納付要件

上記①②の場合は「保険料納付要件」を満たす必要があります。

③④については、「保険料納付要件」は問われません。

 

「保険料納付要件」とは、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間がある場合には、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が、その被保険者期間の3分の2以上あることが必要、というものです。

20歳以上は国民年金の強制加入ですから、20歳以降、国民年金保険料の未納期間が3分の1以上あれば、保険料納付要件を満たさず遺族厚生年金は支給されません。

 

この保険料納付要件には特例があります。

これは、上の原則の要件に該当しない場合でも、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間に未納がなければよい、というものです。

ただし、この特例は、令和8年3月31日までの死亡、かつ死亡した者が65歳未満の場合に限ります。

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こんな場合は支給されない

若い時からずっと、厚生年金のある会社等に勤務していた人が死亡した場合には、一般的に、保険料納付要件に問題が生じることはありませんが(※)、会社勤めをしたり、しなかったりのような場合には、保険料納付要件が関係してきます。

 

例えば、20歳から何年間かアルバイトをしていて、アルバイト先に厚生年金がなく、自分でも国民年金保険料を払っていなかった人が、厚生年金のある会社に勤めて数か月後に死亡したようなケースはどうなるでしょうか。

 

会社勤めの間の厚生年金保険料は給料天引きですから、一般的には未納はあり得ませんが、それまでの国民年金保険料がすべて未納であれば、死亡日の属する月の前々月までの3分の2以上の納付はありませんし、直近1年間においても未納期間がありますので、この場合、会社に勤務している間の死亡であっても、遺族厚生年金は支給されないことになってしまいます。

※ただし、会社が社員の給料からは保険料を天引きしているにもかかわらず、年金事務所には納付していないような「ブラック企業」の場合は「保険料納付要件」を満たさないこともあり得ますので、日本年金機構から、毎年送られてくる「ねんきん定期便」でしっかり確認することが重要です。

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遺族基礎年金の支給要件

遺族基礎年金が支給されるのは、次の4つの場合です。

被保険者が死亡したとき

② 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満のものが死亡したとき

③ 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間が合計25年以上ある者)が死亡したとき

④ 保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間が合計25年以上ある者が死亡したとき

 

厚生年金加入者は、同時に国民年金の加入者(第2号被保険者)ですから、上記①に該当し、遺族基礎年金の支給対象となります。

上記の①②の場合、遺族厚生年金と同様に、「保険料納付要件」を満たす必要がありますので、ここでも保険料の未納がある場合には、遺族基礎年金が支給されないこともあり得ます。

なお、厚生年金加入者は、厚生年金保険料を支払っている期間は、それと別に国民年金保険料を納付する必要はありません。

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結論

会社等に勤めていた人が死亡したときは、その遺族は、遺族厚生年金遺族基礎年金の二つを受給できます。

しかし、いずれも保険料納付要件を満たしている必要があります。

 

今回は、遺族年金の支給要件についてお伝えしました。

次回は、だれが遺族年金を受給できるのか、「遺族」の範囲について確認したいと思います。

 

今日も、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

  (2020.03.06)(一部修正 2020.06.20最終)

 

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